歴史的にサングラスの登場は、18世紀ごろに「色付き眼鏡」として出回っていましたが、「目の保護」を目的に本格的に開発されたのは1920年代に入ってからと言えましょう。口火を切ったのはボシュロム社とフォスター・グラント社です。「紫外線を吸収する」と謳われたサングラスは続々とフォロワーを生み、1920年代を通してリゾート地の必須アイテムとして社会現象にもなりました。
時は下って1930年代。アメリカ陸軍大尉のジョン・マクレディ氏は飛行中に、日光によって目に大きなダメージを追いショックを受けました。そこでボシュロム社に「目を保護し、それだけでなく格好いいサングラスを作って欲しい」と依頼します。そして生まれたのが、「光(=ray)を遮る(=ban)」というサングラスの傑作「レイバン」ブランドです。代表モデルアビエーターは米軍に正式採用され、GHQ総司令官のダグラス・マッカーサー氏も愛用したことで世界中が注目しました。
一方、1930年代の終わりには、アルティナ・シナシ・ミランダ氏が「ハーレクイン(道化師)」あるいは「キャットアイ」と呼ばれるデザインのフレームを考案しました。当初どこの眼鏡メーカーも取り合ってくれませんでしたが、マンハッタンの高級眼鏡店「ルジェネ」で試しに発売したところ一気にブレイクします。以降、眼鏡メーカーはデザイナーとのコラボも行ないながらデザイン性を高めていくのです。
そして時は流れ、1980年代にはエアロビ&ランニングブームの影響によりスポーツウェアが日常着になっていきました。そこで生まれたのが、ブガッティ、カザール、オークリー、アルピナなどのスポーツメーカーのサングラスラインです。また一方で、サングラスは映画産業と結びつきブランド価値を上げていきました。代表的なブランドとしては、レイバン(「トップガン」<1986>)、ジャンポール・ゴルチエ(「レオン」<1994>)、ローデンストック(「マトリックス」<1999>)、ペルソール(「カジノ・ロワイヤル」<2006>)、トム・フォード(「007慰めの報酬」<2008>)などが有名です。
Ray-Ban(レイバン)
サングラス史を語る上で、確実に外せない代表的なブランドと言って間違いないでしょう。映画「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘップバーンが身につけ、ドラマ「西部警察」で渡哲也が着用し、ケネディ大統領も愛用していた、等々・・・その歴史の裏側には星の数ほどのエピソードがあります。
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Polaroid(ポラロイド)
言わずと知れた世界的な老舗サングラスブランド。とくに「光のギラつき」を防ぐ偏光レンズに定評があります。じつは名前も最初に開発した偏光の特許技術「合成偏光板(ポラライザー)」に由来しているのです。近年ではレディ・ガガが愛用・デザインしたことで人気となりました。
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Oliver Goldsmith(オリバー・ゴールドスミス)
サングラスをファッションアイテムに押し上げた大功労者的存在です。1950年代~60年代の若者文化や映画産業が花開いた時代に、そのユニークなデザインで一気に人気ブランドへ。ジョン・レノンからブラインアン・ジョーンズ、ダイアナ元皇太子妃までセレブたちがこぞって愛用しました。
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Oakley(オークリー)
元々はモトクロスやBMXの部品メーカーとして誕生しました。その後、スキーのゴーグルやサングラスへ参入し、いまやスポーツサングラスの代名詞となっています。米軍特殊部隊「SEALs」や「デルタフォース」に採用されていることでも有名です。野球のイチロー選手が愛用しているのもコレ。
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POLICE(ポリス)
日本ではEXILE(エグザイル)、海外ではデビット・ベッカムやジョージ・クルーニーがイメージキャラクターを務めているブランドです。クールながらも、イタリアらしい個性あふれるユニークなデザインが人気となっています。ちなみに2013年からはアパレルラインもスタートしました。
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Persol(ペルソール)
イタリア発の老舗サングラスブランド。写真家で技術者のジュゼッペ・ラッティ氏が1938年に立ち上げました。「007シリーズ」「華麗なるかけ」「ターミネーター2」に登場するなど、映画産業を使った巧みなマーケティングによってイタリアトップクラスの地位を確立しました。
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Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)
王侯貴族に愛されてきたイタリアの名門靴ブランドから起こった世界的なラグジュアリーブランド。サングラスコレクションもまた、気品あふれるデザインで男女問わず人気です。サングラスには1998年よりスタートしました。世界トップメーカー「ルックスオティカ社」が製造しています。
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