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スタイル説明/フィフティーズ

1950年代は、アメリカの黄金期ともいえる時代だった。電力インフラが整備されると、冷蔵庫、洗濯機、トースター、自動皿洗い、アイロン、電話、テレビといった家電製品が普及し、大手自動車メーカーのフォードがベルトコンベアで自動車をジャンジャン大量生産した。とにかく作れば作るほど売れる時代だった。1955年には、カリフォルニア州アナハイムにディズニーランドがオープン。アメリカ社会はどんどん豊かになり、中産階級が増え、これまでお金が回らなかったところにもお金が流入するようになった。その中に、10代の若者(ティーンズ)がいた。かつてティーンズはお金もなく、娯楽といえば大人に付き合う以外なかった。親が聞いている音楽を聴き、家事の手伝いに忙しかった。しかし大量生産・大量消費の時代では、余暇も増え、お小遣いも増え、テレビやラジオから情報がどんどん入ってきた。豊かさが若者に自由と力を与えたのである。社会に、「大人」でもない、「子供」でもない、新たな階層「ティーンズ」が生まれたのだった。

高い教育を受けた彼らは、手にした自由と権利を謳歌し、一方で、日常の豊かさと、冷戦や公害といった社会矛盾の狭間で苦しんでいた。そして、彼らは大人たち=既成社会に主張し反抗していく。1955年にはジェームス・ディーン主演映画「理由なき反抗」が公開され、ブルー・ジーンズは青春と反抗のシンボルとなった。アメリカの若者たちは、コカコーラを飲み、ピザやマクドナルドハンバーガーを食べ、ジュークボックスから流れるロックンロールでジルバを踊り、ジーンズをはいて登校しては停学になった。ちなみに、第二次世界大戦後、それまでイタリア系移民しか食べていなかったピザをイタリアからの帰還兵もよく食べるようになり、1950年代はピザ屋が大人気となっている。

【代表的なブランド例】
リーバイス(Levi's)
マックレガー(McGREGOR)(「理由なき反抗」で登場した真っ赤なドリズラーが有名)
リー(Lee)

【こぼれ話】
映画「理由なき反抗」によって、ジェームス・ディーンとブルー・ジーンズは青春と反抗のシンボルとなった。ブルー・ジーンズといえば、リーバイスというイメージが強い。事実、ジェームス・ディーンは同社の宣伝材料として利用されてきた。しかし、わずか3本しかない彼の映画の中で、実はリーバイスをはいたことは一度もなかった。劇中ではいていたのは、リー(Lee)の101(ワンオーワン)である。ちなみに当時は『リーバイス(Levi's)=不良』、『リー(Lee)=カウボーイの制服』というイメージが強かった。

【同時代のスタイル】
1950年代

【関連スタイル】
アメリカンカジュアル

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